Entries by Koki Murata

批判の文化の抄訳

Praeger版1998年の序文   本書はユダヤ教を進化論的視点から見た第三巻で最終巻である。 第一巻A People That Shall Dwell Alone:Judaism as a Group Evolutionary Strategy(MacDonald 1994;以下PTSDA)では進化論の枠組の中でユダヤ教を論じ、 第二巻Separation and Its Discontents:Toward an Evolutionary Theory of Anti-Semitism(MacDonald 1998a;以下SAID)ではセム主義批判を進化論の中で論じた。   民族紛争は二冊を通じて繰り返し扱ったテーマであり、本書も同様である。 しかし、前作では広い歴史の幅でユダヤ人と非ユダヤ人の流血を伴うダイナミクスとして民族紛争を論じるのが中心だったが、本書ではより狭い範囲、20世紀に焦点を絞る。 強いユダヤ人のアイデンティティを持つ人々がユダヤ人の利益を考えて主導した、幾つかの非常に影響力の強い知的政治的運動に着目した。 ボアズ人類学派、精神分析学、左翼の政治イデオロギーと行動、社会学のフランクフルト学派、ニューヨーク知識人達。 加えて、特に北西ヨーロッパ出身の非ユダヤ人の利益を損なうアメリカの移民政策を形成したユダヤ人の努力についても論ずる。   重要なテーゼとして、これら全ての運動は、西洋社会を公然と或いは分からないように変革して、セム主義批判を絶えさせてユダヤ人集団の存続に資するようにする方法だと見なされる可能性がある。 理論レベルでは、これらの運動はユダヤ人と非ユダヤ人では文化の構築や公共政策に異なる関心を持つという事実の結果に見える。   このプロジェクトは明らかに非常に広範囲であり、私は進化生物学、心理学、歴史学の分野から、 ハイラム・カトン、ポール・ゴットフリード、ジョン・ハルトゥング、ラルフ・ライコ、J.フィリップ・ラッシュトン、フランク・ソルター、グレイド・ホイットニー、デイヴィッド・スローン・ウィルソンらから多大なる手助けを得た。 この他にも大勢の方から手助けを得たが、残念ながらここには載せきれなかった。 また、このシリーズの編集者シーモア・W・イツコフには、初期原稿への助言と出版への役割に対して特に感謝したい。 最後に、この非常に困難なプロジェクトに最後まで付き合って頂いたグリーンウッド出版の学術研究開発担当ディレクターのジェームズ・サビンに感謝する。   ペーパーバック初版の序文   中略   変化と持続:欧州出身のアメリカ人の民族意識の弱体化とユダヤ人の自民族中心主義の持続から抜粋   その根底にあったのは、ヨーロッパの人々の民族意識の希薄化である。1920年代の移民論争と50年代60年代の移民論争を比べると興味深い。 20年代の移民制限論者は、ヨーロッパ出身の民族が征服して植民した土地に対して、恥じることなくその独占権を主張していた。 ある国への所有権は、植民地化してその国の政治的・経済的文化を樹立した民族に帰属するという、民族的利益追求を訴える議論が堂々と多数存在した。 道徳的自負を持ったこの種の移民拒否(今日ではその言葉自体が病的な意味を付与されている)は、CofCの270ページの引用にあるコロラドの議員で著名な移民制限論者ウィリアム・N.ヴェイルの発言に確認できる。   1940年代を経由し、そして間違いなく、60年代を経由した後には、そのような主張をすれば人種差別主義者であると見なされるだけでなく、知的にはネアンデルタール人と見なされるようになった。 実際、ベンダースキー(2000)は、そのようなレトリックが1930年代にはますます困難になっていったことを示している。 この変化は、「The […]